今回の八重の桜も、はじめは凄く面白かったけど、どんどんダメになっていってます。僕は良ければ「あまちゃん」や「篤姫」、「おひさま」のように思いっきり褒めちぎるのですが、ダメなのはどうしてもダメです。一応我慢してみるけれども、八重の桜はほぼ限界に近づいてきた感じがしますね。
八重の桜の視聴率を見ていると、当初20%だったのが、最近では10%を記録している。平清盛も相当ひどかったけど、八重の桜もまだ綾瀬はるかや西島秀俊の演技力で何とか持っているようなところがあるけど、ストーリーが限界に来ている感じがするのです。
新島襄と八重が一緒になってからのストーリー展開は、その時の日本の状況がどうなったかということよりも、山本家、新島家、同志社のプライベートなストーリーが延々と続いているのです。同志社の設立ストーリーであれば、まだいいですが、そこに山本覚馬の奥さんである時栄の不倫とかをまるまる1時間やってしまうので、話が中断してしまう。そこで時栄を追い出したことが、八重の武勇伝の一つになったということになるけど、明治という時代に貢献した女性であるというエピソードにはならない。
これが坂本龍馬であれば、薩長同盟を締結するために龍馬が東奔西走して、そこで色々なトラブルにぶつかるけれども、最後はなんとか秘密同盟が締結されるというストーリーの展開があるんだけれども、八重にはない。
明智光秀が自分の軍団に対して、「敵は本能寺にあり」と言って、自分の主人である織田信長に対して反旗を翻すけれども、そこまでには信長と光秀の間にどのようなドラマがあったかということになるんだけれども、八重にはない。
結局、新島八重という人物は、女性として初めて民間から勲章をもらった人であり、それが明治政府と対峙した会津藩出身ということで、珍しい存在ということだったと思うのですが、やはり世間では無名であり、また、行動者として公的なことに対して貢献したかといえば、江戸城総攻撃を少しでも食い止めた篤姫と比べると、やはり見劣りがすると思うのです。
日本の場合は、最近は女性が強いけれども、建国以来男性社会ということもあり、女性が英雄になりにくい。どちらかと言えば北条政子や日野富子、淀君など悪女として名を残した人はそこそこいるけれども、英気溌剌とした女性というと、北政所くらいです。
新島八重がやはり無名であるというのは、無名である理由があるわけでして、それは歴史的に特に大したことはしてないからで、それは八重の桜を見ていれば、制作側が無理やり大したことのないエピソードを無理やり押し出しているということからもわかる。そのことでストーリーが冗長化してしまって、ドラマ自体がつまらなくなってしまう。
あとは、こちらも何度も書いてきたけれども、無用に美男美女を使っているということです。
- 長谷川京子
- 水原希子
- 加藤雅也
- 河北麻友子
- 反町隆史
- 吉川晃司
あまちゃんでは、小泉今日子さんが言ってましたが、ドラマの中で宮本信子さんや薬師丸ひろ子さんが登場するシーンは、それだけで緊張感が生まれたということだけど、本当にそうだと思うのです。ところが八重の桜で彼らが出てくると、一挙にゆるむ。この辺りはキャスティングが大失敗だったと、いまさらながら思います。きれいなだけ、かっこいいだけなら他にもっといますよ。やはり実力のある人を使ってもらいたい。
あとは、ドラマの後半は、キャスティングが陳腐化してきました。例えば同志社設立において大きな位置を占めた熊本バンドのキャスティング。とても、ドラマのメインになるべき人が揃っていない。後は、明治政府を構成する伊藤博文、山県有朋、大隈重信といった人たちでも、キャスティングが実際の本人の実力から見ても、陳腐としか言い様がない。この辺りにきちんとした計算がないので、見てて違和感があるのです。
次々回の大河ドラマに井上真央ちゃんが主演を張るということで、僕は井上さんのことは大好きなのですが、役柄が吉田松陰の妹!ということで、この人も全くの無名で、今からきちんとしたものが出来るのか不安です。ちなみに調べてみたら
2015年の大河ドラマに井上真央、吉田松陰の妹とは?
こういう記事を拾ってきたんだけど、やっぱり何もしてない。うーん、変なドラマになって上野樹里や松山ケンイチの二の舞いになるんじゃないかと、ファンとしては本当に心配ですよ。