2013年12月4日水曜日

再来年の大河は花燃ゆー主演は井上真央

今朝、テレビ朝日のグッドモーニングでエンタメのところで、スポーツ新聞の記事をアナウンサーが解説をしていたら、井上真央さんの記事がちらっと見えたので、インターネットで調べていたら、NHKが大河ドラマの発表をし、主演は井上真央さん、タイトルは「花燃ゆ」。ヒロインは吉田松陰の妹、文ということで、実に地味な人がヒロインとなります。




NHKでの公式発表はこちら。
平成27年大河ドラマ『花燃ゆ』制作発表!主演は井上真央さん
再来年大河は「花燃ゆ」井上真央さん主演
この吉田松陰の妹、文という人は、僕は全く知らないのですが、調べてみると、松蔭の松下村塾の門下で松蔭が最も買っていた門人である久坂玄瑞の妻となり、その後久坂玄瑞が禁門の変で自殺した後、楫取素彦という、やはり歴史的には無名だった人物と再婚するというものです。

この辺りは、今の八重の桜と時代がおもいっきりかぶります。しかも、幕末から明治にかけてというところで、ただ、立場が会津と長州ですから全く逆になります。幕末の長州は、急激に革命化して反政府活動を繰り返して、2度の長州征伐、下関でのイギリス、アメリカ、オランダ、フランスとの戦争などボロボロの状態でした。幕末のギリギリのところで坂本龍馬が間に入って薩長同盟を締結したことで、起死回生の新政府樹立という事になりましたが、あそこで龍馬がやらなければ、長州は間違いなく滅亡していた。それほど長州は追い詰められてました。

長州は、吉田松陰が世の中に登場したことで急激に革命化していきます。というよりも、松蔭が処刑された後革命化していきます。それは松下村塾の生徒たちが、ますます急進化していくのですが、そこには何故かとびきりの人材が輩出したのです、不思議なことに。後の新政府に関わる長州系の人たちはほとんどが松下村塾に関係のある人達で、有名なところでは、高杉晋作、桂小五郎、文の最初のパートナーである久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋などです。文の二人目のパートナーになる楫取素彦も、松蔭に近い人物だったようです。

ルックス的にどういう人達だったかというと、久坂玄瑞は


こういう感じ。この人は、長州でも桂小五郎、高杉晋作と並び称される。幕末モノには必ず出てきます。それだけ彼の当時の行動が多くの人の記憶に残ったんだろうと思います。司馬遼太郎さんも、久坂玄瑞の行動力は火の玉のようだったと何かで書いていたそうで、命知らずな人だったようです。禁門の変(蛤御門の変)で長州が惨敗後鷹司邸内で自刃しました。年齢はなんと25歳です。

次の文のパートナである楫取素彦は、こういう人。


長州系の官僚として、そこそこ出世し、男爵に叙せられるから、有意義な人生だったんだと思います。ま、見るからに地味だよね。

今度のドラマは、NHKの説明からすると、吉田松陰の妹である文の目を通じて激動の幕末から明治を見つめていくというものだそうで、題材はとてもいいと思いますよ。特に長州は戊辰戦争の時の会津に似ていて、幕末においては日本中から袋叩きにあって、そこでなんとか薩長同盟で息を吹き返して、明治政府の中心となるというサクセスストーリー。

ただ、危惧しているのは、八重の桜の二の舞いにならないかということですよ。文自身は、吉田松陰の妹で、久坂玄瑞の妻であったということ以外は、新島八重よりもずっと存在が地味だし、本来ヒロインになりえない存在というほど、普通に時代の中で生きてきた女性です。ただ、彼女が行きた時代があまりにも激動期であったということもあり、常に小説家、ドラマ化、映画化されています。ただ、あまりにも文が無名ということもあり、大丈夫かなあという不安はありますね。

いいものを作るのであれば、明治後はあまり描写しないほうがいいのかなと思いますね。それ以上に幕末の長州は色々なことがたくさんありますから、それを丁寧に描いたほうがいい。文を中心にしてしまうと、それこそ単発のエピソードの羅列になってしまって、歴史の流れが読めなくなり、引いてはドラマ自体がダメになってしまうので、そのあたりは注意してほしい。


やはり井上真央さんという、演技力、ルックス、その清楚さは日本の映画界を背負っていく存在ですから、彼女のファンのひとりとしてお願いだから彼女のブランドが下がるようなことはしてほしくないと思っております。

ちなみに吉田松陰の人物を知る本としては、司馬遼太郎さんの世に棲む日日がお勧めです。


世に棲む日日〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
文藝春秋
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