2013年12月12日木曜日

軍師官兵衛


先週の八重の桜では、あまりにも唐突で来週が最終回ということになりまして、結論から言うと、新島八重という女性が無名だったのは、この1年を通じてわかった気がしますね。会津戦争で鉄砲をはなったということと、偉大な山本覚馬の妹であり、偉大な新島襄の奥さんだったということだけだったような気がしました。

で、来年から黒田官兵衛が主人公であるということは大変喜ばしいことです。何故ならば、大河ドラマの主役に最もふさわしい人物だと前からこのブログでも書いていましたし、それは豊臣秀吉が天下を取るために大尽力をした人であり、それがために秀吉から恐れられたという、非常にかっこいい人でもあります。


ウェブサイトができていたので、初めてのぞいてみましたが、以前の龍馬伝に似ている感じがしますね。官兵衛をV6の岡田准一君が演じます。ジャニーズは嫌いですが、彼は俳優としていい味出してきてると思う。モックンのようになって欲しいです。かっこいいです。
軍師官兵衛
http://www1.nhk.or.jp/kanbe/index.html

キャスティングはどうなのかチェックしてみました。

  • 黒田官兵衛:岡田准一→◯
  • 豊臣秀吉:竹中直人→◯
  • 織田信長:江口洋介→◯
  • 濃姫(信長の奥さん):内田有紀→△
  • 明智光秀:春風亭小朝→☓
  • 柴田勝家:近藤芳正→☓
  • 丹羽長秀:勝野洋→☓
  • 荒木村重:田中哲司→△
  • 足利義昭:吹越満→◯
  • 後藤又兵衛:塚本高史→☓

特に明智光秀、柴田勝家はイメージが崩れます。明智光秀はどちらかと言うとやや暗い以外は男としてほぼ完成しているというタイプ。頭が良く、優しくて、軍隊の駆け引きもできる。最近のタイプで言うと、桂小五郎と同タイプですかね。

過去に明智光秀を演じている俳優は、松本幸四郎、唐沢寿明、渡辺篤郎。全体的に端正でスタイリッシュな人たちです。これを春風亭小朝というのは、すごい実験。大丈夫なんでしょうか。

柴田勝家も近藤芳正だと弱々しい感じ。司馬遼太郎さんが言うには、威風堂々としているということだったし、今までの歴史的な事実を見ていると、やっぱり厳しい。最近で言うと、清須会議で役所広司さんが柴田勝家を演じてますが、まさにこのイメージ。


丹羽長秀も清須会議の小日向文世がいい味を出してる。勝野洋だとどちらかと言えば、勝家タイプなんですよね。実際に「功名が辻」で柴田勝家を演じてます。その後、丹羽長秀というのは、甘いなあという感じだなあ。

後藤又兵衛も豪快というイメージがとても強いのです。
後藤又兵衛
その後藤又兵衛を塚本高史君が演じる。僕は塚本くんのことは好きだけど、戦国武将というタイプではない。又兵衛は、官兵衛のことを尊敬するあまり、息子の長政に仕えるということをせず、後に徳川家康が豊臣家を討滅するために大阪夏の陣冬の陣を仕掛けますが、その時に豊臣軍の武将として壮絶な最後を遂げます。そういうエネルギッシュなところはちょっと感じられない。

黒田官兵衛という人は、秀吉関連では必ず登場してくるのですが、脚本家の不勉強で大した役者をキャスティングしてきませんでした。でも、実際には秀吉の天下取りに大きな力を発揮しましたし、関ヶ原が起きるときも、九州をまとめて家康と雌雄を決するところまで行った人物なので、江~姫たちの戦国~のお江や新島八重よりも日本の歴史で果たした役割は比べ物にならないくらい大きい。

大河に関してはいつも期待に裏切られ続けてきてるのです。僕にとっては宮崎あおいさんの「篤姫」以来全部ダメ。恐らく僕の見方が世間とそれほど曲がってないのは、結局その後の大河に出た人たちが、他で活躍しているということにはなってないということです。

  • 天地人:妻夫木聡→冴えない
  • 龍馬伝:福山雅治→大ブレークしたとは言えない
  • 江~姫たちの戦国~:上野樹里→一時消えてしまった
  • 平清盛:松山ケンイチ→主役では使われない

一方で朝ドラだったら、凄くわかりやすいんだけど、最近で言えば


  • おひさま:満島ひかり→主役級の女優に成長
  • 梅ちゃん先生:松下桃李→大ブレーク
  • あまちゃん:有村架純→大ブレーク

という感じです。

やっぱり面白くないと、ドラマはダメですから、なんとかNHKには中身をきっちりやって欲しいし、ドラマが面白ければ役者のブランドも上がるんです。それはあまちゃんを見れば一目瞭然。

ドラマの素材としては、秀吉に恐怖の念をいだかせ、実現はしなかったものの徳川家康を雌雄を決する覚悟でいたという人物がいたのだということで十分で、実に日本を代表する人物だと思います。少なくとも、直江兼続とは人間のレベルが違う。

ドラマや小説の妙味は無名だったけれども実はすごい人だったということを知らしめることにあると思うのですが、ただ失敗例として江~姫たちの戦国~にしても、八重の桜にしても、無名であったのはそれなりの理由があったからということをわからずに、ドラマの素材にしてはだめです。黒田官兵衛に関しては、日本史上でもベスト5に入るくらいの作戦家ですから、官兵衛ファンとしては多くの人に知ってもらう良いチャンスだと思ってます。

黒田官兵衛を知るためには司馬遼太郎さんの播磨灘物語を読むのが一番です。この本、僕にとっても愛読書で、もう何度も読んだかわからないくらい好きです。ちなみに黒田官兵衛のことは3年前にも大河にしてください!という記事を書いてます。その時は、瑛太くんか、水嶋ヒロがいいと書いてます。
播磨灘物語-黒田官兵衛
http://my-tsurezure-story.blogspot.jp/2010/12/blog-post_15.html