昨日の八重の桜は実につらい内容でした。会津内では様々な悲劇が起きて、ただ、その悲劇についても、西郷頼母の母親、妻、娘たちは、武士の女らしい最後を遂げましたし、白虎隊も武士の子らしい最後を遂げ、辛い内容ではあったけれども、覚悟を決めた人の美しさが表現されたんじゃないかと思います。
先日、NHKの「スタジオパークからこんにちは」に西郷頼母の妻千恵を演じた宮崎美子さんが出演していて、西郷家の女性たちがお城に入らず、自らを死を選ぶシーンを語るときに感極まって話ができないくらい泣きだしてしまったのですが、確かに現実的に白装束で覚悟を決めて自害するというのは、よほど思い入れがないとなかなか難しいシーンだったと思います。
いわゆる封建体制というのは、殿様と家臣という上下関係しか存在しないのですが、これは家臣が殿様から食い扶持をもらっているから、殿様に何かがあった場合は、家臣が体を張って守るというものです。そういう精神が会津には強いということもあり、会津戦争は大変な戦争になったんでしょうね。
それにしても、会津のために思うのは、京都守護職を務めた時に、新撰組を抱えたというのが、結局会津の首を締めたなと思うのです。もちろん、新撰組としては京都の治安を守るという大義名分の元、テロリストと体を張って戦ったという意識がある。
でも、長州や土佐にしてみたら、幕府を背景に同士を切りやがってという恨みを新撰組に持ったし、その背景にいる会津を憎んだのはしょうがないと思うのです。ただ、会津が気の毒だったのは、京都守護職はやりたくないと再三断ったにもかかわらず、幕府の威権でむりやりやらされてしまい、会津は真面目だからまじめにその職務を遂行してしまい、反幕勢力から恨みを買ってしまった。しかし、その無理やり京都守護職を押し付けた幕府もなくなり、徳川慶喜も降参してしまったので、新政府軍もあげた拳を会津や長岡に下ろすしかなかったという構図ですね。
来週も会津戦争のようですが、僕としては悲劇はそろそろお腹いっぱいになってきた。明るい未来のある八重の桜をそろそろ見たいです。