井上真央さん主演の大河ドラマ「花燃ゆ」が低迷しすぎて、痛々しいくらいなんですけれども、そんな中面白い記事があったので、ご紹介をします。記事の内容は「NHK大河にしたい幕末志士1位は?」というもので、1位は日本の初代内閣総理大臣伊藤博文でした。
僕のトップ10に対するヒーローになり得ると思う3つの観点
まずトップ10をご紹介して、僕なりの意見を書いていこうと思います。大河ドラマのヒーローになりえるかどうかという観点は、
- その人の人生が面白いか
- その人が歴史的な業績があるか
- その人の人生に数奇性があるか
というのは、やはり今の花燃ゆの杉文にしても、八重の桜の八重にしても、それほど視聴率がとれないのは、人生に数奇性があるにしても、特に業績を残しているわけではありません。だから、史実に基づかずに、創作がメインになってしまうので、ドラマとして面白く無いんだと思います。以上の点を踏まえてチェックをしてみました。
NHK大河にしたい幕末志士をチェック
10位井上馨
人物としては井上馨は、面白いし、特に幕末までは井上は大いに活躍をしているし、長州藩の佐幕派にズタズタに斬られて、九死に一生を得るよう面白い人生を送ってます。でも、やはりマイナーだし、明治以降はお金の問題をおこしていたりしているので、ストーリーを作るのは難しいと思いますね。
9位大隈重信
大隈重信は早稲田大学の創立者として有名ですが、政治家としてはそれほど実績を残してません。特に対華21ヶ条要求を提出したことは、政治家としての晩年を汚したと言わざるを得ず、早稲田大学OBには申し訳ないですが、大河ドラマの主役にはなりえないと思います。
8位斎藤一
新選組の中で特に強かったという点以外はあまりパッとしないと思います。1年長丁場の大河のヒーローは無理です。
7位岡田以蔵
土佐勤王党の人斬り以蔵。映画の主役はいいでしょうけれども、大河は無理。仕事としても、武市半平太の指示で何も考えずに、佐幕派を斬り続けたのはヒーローにはふさわしくない。
6位徳川家茂
この人も早死してしまった、悲劇の将軍。数奇な人生という点ではOKですが、あまりにも実績がなさすぎるという点で、映画はいいけれども、大河のヒーローは無理ですね。
5位ジョン万次郎
人生は数奇で、面白い素材だと思います。ジョン万次郎は、土佐の漁師出身で漁をしている時に潮に流されてしまい、漂泊している時にアメリカに助けられ、その聡明さが認められて、幕府の旗本になった人生も面白いです。ただ、後半生は、漁師から旗本になったという大出世もあり、同僚の旗本に嫌がらせをされ、大した仕事も出来なかったという点で大河のヒーローは難しい。
4位土方歳三
この人は、大河のヒーローに相応しいんじゃないでしょうか。もともと新選組を作った人はこの人だし、戊辰戦争の最後の戦い箱館戦争にまで参加したという、ブレない点も評価できます。また、司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」の主役でもあり、原作にも事欠きません。
この本は、僕にとっては司馬遼太郎さんの代表作。何度も読んでます。
3位高杉晋作
この人も、その天才性と27才で亡くなると劇的な人生と実績を考えると、大河のヒーローに相応しい。また、長崎で軍艦を買ってこいと言われて藩からお金を預かっていたにも関わらず、長崎でどんちゃん騒ぎをしてしまう破天荒さ。無謀だと知りながらも、藩の革命化させるために敢えて攘夷を唱えた戦略性など、幕末において「天才」という点で彼の右に出る人は見当たりません。この人も司馬さんの作品があります。
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この世に棲む日日での高杉晋作は面白い。神出鬼没さという点と、彼が動くことで時代が動くようなところは、まさに天才と言われるに相応しいと思いますね。
2位沖田総司
沖田総司もその若さと、天才的な剣の技術、妙に明るい性格という点ではすごく面白い人物だし、僕は沖田総司というと「妖精」というイメージがあるのです。人を斬るということは相手を殺すことなのですが、この人に限っては凄惨さが感じられないのは、そういう妖精的な要素があるからなんだと思うのです。ただ、実績という点では池田屋事件で活躍をした程度で、映画のヒーローになり得るけれども、大河は難しいでしょうね。
1位は伊藤博文でした
僕も大河のヒーローとしてこの人ほどふさわしい人はいないと思います。詳しいことは、以前ブログにも書いてありますが、
NHKへの提言 大河ドラマの主人公として伊藤博文にするべき6つの理由
この人は、日本史で言うと、豊臣秀吉級の出世をしたひとで、仕事をしたという点でも幕末から明治にかけて最も仕事をした人でもあり、もっと評価されても良い人物だと思うんですよね。豊臣秀吉級の出世というのは、もともと、伊藤は百姓出身ですから、そこを桂小五郎に見出されて、武士の身分となり、その後は、桂小五郎、高杉晋作のもとで活躍をし、明治後は大久保利通に外遊時に評価されて、木戸孝允亡き後は長州派のリーダーとして、近代日本の発展に尽くしたというもので、やはり偉業としかいいようがない。しかも、女好きで有名だったということもあり、人としての可笑しみもあり、そういう点でも豊臣秀吉に共通していて、面白いと思うのです。
ただ、唯一の汚点としては、伊藤が初代韓国統監として、韓国侵略の象徴のようにみられてるところですね。本当のところはどうなのかなと思うのですが、伊藤博文の性格から考えると、軍部のような韓国への侵略する意志はないと思うし、そのあたりを伊藤博文本人のためにも、しっかり明らかにして欲しいと僕は思うのです。
NHKもどうして花燃ゆの視聴率が良くないか考えるべき
やはり、今の花燃ゆを見てると、大河ドラマのヒーローにする人は、何かをやった人じゃないと面白くするのは難しいと思うのです。それが何かの原作があるのであればいいのですが、それがないと、創作という点では歴史に対してあまり詳しくない素人がストーリを作らざるをえず、その結果が花燃ゆの低迷に起因していると思うのです。
それは、前作の軍師官兵衛の視聴率が花燃ゆよりも良かったというのは、黒田官兵衛という人が、豊臣秀吉の天下を取るのに大きな役割を果たしているという事実があるからで、彼の人生自体がドラマになり得たからです。
その点を考えると、伊藤博文の場合はその生涯を近代日本のために尽くしたし、でも、女好きというギャップは面白いと思うんです。NHKにしても、今回花燃ゆで長州をやってしまったので、当面は伊藤博文という線はないでしょうけれども、大変な候補者であることは間違いないと思いますね。
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