2013年12月19日木曜日

田中角栄没後20年だそうです


昨日のNHKのニュースを見ていたら、特集枠で田中角栄さんの事を放映してました。田中さんの秘書で朝賀さんという方がインタビューで答えていたのは、田中角栄という人は小学校卒で総理大臣まで上り詰めた人だけれども、「下から目線」の人だったということで、ああ、そうだろうなと思いながら見てました。



田中角栄という人は、なんだかんだ言われても歴史に名前を残したという点ではやはり不世出の天才だったと思うけど、晩年は田中派内のクーデターにあい、かわいそうだった。僕は彼のことは好きでしたし、彼に関する著書もずいぶん読んだりしました。彼の限界は、後継者を世襲にせざるを得なかったということと、その世襲をした田中真紀子が不肖の娘だったということかな。あれだけ偉大だった父親の選挙区で落選をするというのは、いくら民主党だからといっても普通はありえない状況だったと思うね。

僕は田中さんの名物秘書だった早坂さんの文章が好きだったので、恐らく彼の著書はほぼすべて読んでると思うのですが、早坂さん自身が田中角栄の語り部となるという決意で、田中角栄本をかなりの数を出版されていて、その本を読むと早坂さんの田中角栄さんへの愛情があふれているのです。その中で色々とエピソードがあり、そのあたりをごしょうかいしますと、金権政治家と言われたこともあり、お金に纏わる話はやはり多いのです。

ただ、田中さんの場合、お金を配るにしても秘書には細心の注意を配るようにきつく指示をしていたそうです。例えば、選挙資金を渡す場合でも、金をやるんだからありがたく思えという人が世の中多い状況で、田中さんの場合は相手に渡す場合にでもお願いだから受け取ってくださいという姿勢で渡せといったらしいですね。それは相手がお金を受け取るということが、後ろめたさがあったりするわけで、そうじゃない、このお金で当選して国事に奔走してくださいという意味合いも込めて、だから不都合かもしれませんがお願いだから受け取っていただけないでしょうかという受け渡しであれば、相手も恐縮するし、真に田中さんの尽くそうということになります。

また、300万円の選挙資金が必要だと言ってくる人には、今書いたような姿勢で、かつ、いくらか色を付けて渡すそうです。お金を受け取る方は必要としているから受け取るわけで、それに色がついていればついているほど、ありがたいものでして、それを田中さんは十分承知をした上で渡していたそうです。

あと、昨日の朝賀さんが言ってましたがけど、田中角栄を批判している人にでさえ、お金を渡したそうです。秘書がどうして批判をしてる人間にまでお金を渡すんですかということを言ったら、批判をしている人間がお金をもらえないかと言ってくるのは、恥を忍んで言って来てるのだから、その心情を汲んであげなさいということで、なるほどなと見てて僕は思いました。

早坂さんもその著書で書いてましたけど、田中角栄という人物は人間学のオーソリティだと。それは田中さんが小さい時から苦労をして、自力で這い上がってきた人だから、人の痛みがわかるんだということは、あらゆる本に書いてあります。

でも、エネルギー政策でアメリカの石油メジャーのしっぽを踏んでしまったことで、ロッキード事件なるものが捏造され、総理大臣経験者が逮捕されるという自体になり、政治家としての後半生は、ロッキード裁判との戦いながらも、自派閥を膨張させ、闇将軍とまで言われました。

この本には色々な田中さんの写真があるけど、今の政治家でこういう表情の出来る人はいないよなあ。それだけでも政治家が劣化しているのか、僕が成長したのかはわからんけど、今日の未明、目が覚めてiPadでニュースをチェックしたら、猪瀬が都知事を辞任するらしい。いうことが二転三転して辞任と言うのは最悪のシナリオだし、しかも、東京オリンピックを獲得したことを本に記した「突破する力」という本がでるという、実にタイミングの悪さを考えると、田中さんの偉さをつくづく実感してしまう今日この頃でした。