あまちゃんの総括は、今回が最後にしますけれども、このドラマはつぶらな瞳の能年さんの類まれなピュアさはもちろんのことを、彼女を支えたキャスティングは秀逸としか言いようがなくて、これは番組のプロデューサーが優れていたんですかね。
八重の桜は、このブログでも散々ケチを付けましたが、不必要なほど美男美女を揃えて、そのほとんどが大根役者ということもあり、ものすごくドラマの緊張感が亡くなった印象がありました。もちろん、ルックスがいいに越したことはないけど、それはドラマの中で必然的なことなのかというところがとても重要なところで、結局綾瀬はるかが熱演していても、それ以外の美男美女が下手くそな演技をしていたら、ドラマ自体が壊れてしまう。結局八重の桜が最後の最後で視聴率が下がったのは、そういうところもあると思うのです。
一方で美男美女度という点では、あまちゃんは八重の桜から比べると相当劣ります。美形という点で言うと、
- 能年玲奈
- 橋本愛
- 有村架純
- GMT小野寺さん
- ストーブさん
- 南部ダイバーの種市先輩
- みずたく
あとは、本当に演技派の俳優が布陣したので、ものすごいコメディでしたが、しっかり締まりました。このブログでも話題にした小泉今日子さんの読売新聞での寄稿でこういうくだりがあります。
伝説の海女を演じた宮本信子さんや大女優役の薬師丸ひろ子さんが物語をグッと引き締め、映画界、演劇界の怪物たちが暴れまくってドラマの楽しさを盛り上げた。見てる方はもちろんそのとおりに受け取っていたし、すごいメンバーでした。役者として能力があるというという点では、目で無言の演技ができる人がたくさんいたというのは、すごかったと思うのです。海女軍団の渡辺えりさんにしても、木野花さんにしても、自分で劇団を持って演出家の顔もありますからね。そんなすごい人が、能年さんの周りを固めている。テレビでのインタビューを見ても、能年さんは先輩の人たちからも愛されてるような感じがありました。
特に言わなくてもわかってるよねというような演技は、キョンキョン、薬師丸さん、宮本信子さん、古田新太とか上手に演技してました。また、冒頭にもあげたけど、橋本愛ちゃん、有村架純ちゃんといった新鋭の女優陣も実にしっかり演技をしていたし、ちょい役に近かったけど、GMTのメンバーも全員素晴らしかった。
また、以外なキャスティングが実はぴったりハマったという例もあります。琥珀のベンさんを演じた塩見三省さん。たけしさんのアウトレイジの塩見さんは
こ、怖い・・・。
こういうのを見るとプロの役者はすごいなと思いますよね。片や人のいいベンさんを演じ、一方で超極道を演じる。本物でもここまで怖くないと思う笑
個人的には、僕は尾美としのりが好きで、気の弱い役を演じたらこの人の右に出る人はいない、すごい役者さんだと思います。僕がこの人を好きになったきっかけは、阿部寛の「結婚できない男」で親友の役を好演しました。今回もアキちゃんの優しい優しいお父さん役が素晴らしかった。彼の味が良く出ていたと思います。
あと、この人は面白いなと思ったのは、皆川猿時と村杉蝉之介。ふたりとも大人計画の役者で個性派ですが、皆川猿時は南部ダイバーの先生を好演したし、村杉蝉之介もオタク系のアイドル評論家としていい味を出してました。村杉蝉之介については、あまちゃんでその存在を知ってから、2時間ドラマなどに出てましたけど、どちらかと言うと気が小さい加害者役を演じていて、それもいいけど、あまちゃんでのオタク役もいい味を出していました。
全体的にキャスティングのことを見てみると、これだけ多くの人達が出るドラマでありながら、不要なキャスティング、或いは雑なキャスティングが全く見られなかった。不要なキャスティングと言うのは、冒頭にも書きましたし、このブログでも何度も取り上げたけれども、無用に美男美女を起用するやり方。これをやっちゃうと、ドラマの中での整合性がなくなっちゃうんです。
雑なキャスティングというのは、八重の桜で言うと熊本バンドのメンバーなんかはそうですね。熊本バンドはドラマ的には後半の中でも特に重要な部分なのに、見事に見たことのない人たちを集めてしまった。後の同志社に大きな足跡を残す人たちなのに、3流の役者をキャスティングしてしまったので、綾瀬はるかはこのメンバーの中にいると浮いてしまった。
あまちゃんで言うと、熊本バンド的な存在は、GMTのメンバーで、こちらは個性的な人を配置しました。リーダー役の松岡さんにしても、「桐島、部活やめるってよ」で好演しているし、佐賀の真奈ちゃんを演じた大野いとさんも「ツナグ」で重要な役を演じているなど、若手女優でも特に演技派を配している。だから、若い人たちでしたがしっかり締まった演技を見ることが出来ました。
僕が50年生きてきて、これはハマったというドラマは阿部寛の「結婚できない男」と宮崎あおいちゃんの「篤姫」でしたが、「あまちゃん」はこの二作品ははるかに超えたものになりました。本を書いた宮藤官九郎さんは2はないと言ってましたが、このメンバーで違うストーリーも見てみたいというのが、ファンのささやかな望みでもあります。
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