で、昨日の1000円ハンバーガーは、そのサプライズの一環というのはよくわかるし、戦略としてはこの突飛なものが、アホなマスコミを動かして、いわゆる広告宣伝費のコストを削ろうというところがあって、それは僕から見るとなんて見え見えなことをやってるのかなと思います。
もともと原田体制になってから業績を上げたのは、いわゆる100円バーガーというデフレ対応のメニューが功を奏したわけで、その辺りは賢明な原田社長もご存知だと思うんですが、やっぱりサプライズじゃないとダメなのかということで、今回の1000円バーガーでマスコミに騒がせている。しかも全国店舗で1日30万食限定ということで、珍しさも付け加えている。
話は変わるけど、亡くなりましたが日本マクドナルドの創業者である藤田田さんの本には、マクドナルドというのは子供を重視しているんだということが書いてありました。それは小さい時に食べていれば、大人になっても食べてくれるだろうという、実に壮大なマクロの見地から立脚したマーケティング戦略であり、僕もまだ20代だったからその遠大な戦略にはさすが!と思った記憶があります。
たしかにその戦略はやや当たっていて、僕は50歳になりますが、マクドナルドで食べるということに何も嫌悪感はありません。僕らの親の世代とかになると、食べないでしょうね。ただ、以前に比べたら確実に足が遠のいている。
足が遠のいている原因を何点か上げると
- まずい
- ホスピタリティのレベルが大きく低下している
- あまりにもカロリーが高すぎる
この3点でしょうか。
マクドナルドの基本はレストランなので、まずいというのは致命的です。これだといくら安くてもまずいものにお金は払わない。もし、払うとしたらお腹が空いて空いて、とにかく一刻も早く空腹から解放されたいという時くらいでしょうか。それだったら、ハンバーガーとコーラーくらいはお金を払ってもいい。その程度です。
ホスピタリティも低下してます、マクドナルド。以前も何秒かでハンバーガーを出して、もしそれで間に合わなければどうのこうのというキャンペーンがありましたね。このキャンペーンはインターネットでもかなり話題になったんだけど、結局早さだけにこだわって、包装がめちゃめちゃな写真が沢山アップされた。これはサービス業としてホスピタリティのレベルが低いというのはだめだし、会社の論理が優先されて、お客への対応がないがしろになるというのは本末転倒です。しかも、インターネットでひどい包装が評判になったというのは、ブランドという点でも影響が大きい。
そしてカロリーが高いというのも、今の時流に反しているんじゃないかと。もちろん、いくら食べてもそれが消化できる世代であれば、問題ありません。食べ盛りはどんどん食べるべき。ただ、中高年にとって太るというのは、ダイエットをしている身からしても怖くて口に出来ません。ということは、極端な話、30歳以降の世代の人達は、自らすすんでマックで沢山食べようとはしないんじゃないかと思うし、そもそもアメリカではマクドナルドは肥満の温床と言われて訴訟問題にもなっている。と言うことは、極端なことをいうと、人々の健康を害する元をユーザーに提供していると言われても仕方がない。
そんな折、最近もメガポテトなるものが発売されて、これも馬鹿なマスコミが話題にした。
マクドナルドメガポテト
http://www.mcdonalds.co.jp/quality/basic_information/menu_info.php?mid=9071
このメガポテトのカロリーがなんと1142カロリー。完全に健康を害すレベル。これにコーラーとかハンバーガーを頼んだら、カロリーもそうだけど、財布にだってやさしくない。
そして、今回の1000円バーガー。マクドナルドはサプライズキャンペーンの一環なんだけど、おそらくカロリーは考えてはいけないでしょうね。相当な高カロリーであることもわかる。一番重要なのは、仮にこのマクドナルドに4人家族で行って、この1000円バーガーを頼んで、それ以外に飲み物やサイドメニューを頼むと6000円近くになる。これは払う方としては、すごく敗北感を感じる価格だと思うのです。このあたり原田さんはどう考えてるんでしょうかね。東洋経済がこの件で記事を書いてます。
マクドナルド、“化粧箱”入り新商品の狙い
http://toyokeizai.net/articles/-/14575
東洋経済は通り一遍のことしか書いてないのですが、話題性のアピールということのようで、ま、広告の一環として発表したんだということのようですね。おそらく失敗すると思いますね。東洋経済では原田社長のことをマーケティングのプロと持ち上げているけど、僕はとてもプロとは思えない。稚拙な戦略だと思う。